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2007/08/23

本のちからだけで売れる本って、いったいどれくらいあるのだろう

最近のビジネス書の世界では、売れてる本の多くが、「この人が書けばなんだって売れる」という感じの著者さんの本だったり、本を出す以前からヴァーチャルやリアルの世界にたくさんの「その人のファン」がいる人が書いたものだったり、出版社が標準的に行なう宣伝広告とは別に著者さんの側で数十万円~数百万円単位の宣伝広告がされてたり。

仮にその本が、書名も本文も装丁もまったく同じだけど、これまでに販売実績のあまりない著者さんが書いていたなら、著者サイドの個人的なネットワークがあまりない人が書いていたなら、出版社が標準的に行なう宣伝広告しかされなかったなら、それでもやはりベストセラーになったのだろうか。

いくつかはなるものもあるだろうけれど、ほとんどは、きっとならないんだろうな。

Amazonでキャンペーンを行なうと、それなりに効果が出る。Amazonの売上ランク上位に入るのを見て、その本の存在に気づく人、その本に興味を持ってくれる人、買ってくれる人が、増える。Amazonでの上位ランク入りを実績として見せることで、扱いをよくしてくれる書店さんもある。「売れている本」だということで興味を持ち、買ってくれる人も増える。

ところで、Amazonでのキャンペーンって、たいていは「著者主導」で行なう。キャンペーン告知用のサイトをつくるのも、知人・友人に頼んでBlogやメルマガ等で告知を行なってもらうのも、著者サイドのアクション。出版社は、できる人的手助けはするけれど、キャンペーン用に特別にお金を出したりすることはめったにないし、出版社のために喜んで告知をしてくれるファンなってめったにいない。

そして、告知サイトやBlog等での案内を見て実際に設定した日時にAmazonへ注文を入れ、ランクアップに貢献してくれるのも、その大半はもともと著者さんが持っていた人的ネットワーク内の人。出版社には、キャンペーンに参加して実際の購入アクションを起こしてくれる人のネットワークなんて、ない。

自分の本の宣伝告知のためにそれ相応のお金をかけられて、そのキャンペーンに載ってくれるそれ相応の数の人的ネットワークを持っている人でなければ、Amazonでのキャンペーンは、まずできない。出版社主導でできることなんて、ほぼ皆無。

教育やコミュニケーションの分野では、「なにをいうか」よりも「誰がいうか」のほうが重要と、よくいわれる。本の世界も、たぶん、同じ。「なにが書かれているか」よりも「誰が書いたか」のほうが、売れ行きに大きく影響するのだろう。

大切なのは、本のちからよりも、著者のちから。
テーマのおもしろさや文章のうまさよりも、著者の持つ知名度やネットワークや告知センス。

だから、これから本を、ビジネス書を出そうという人は、まずはヴァーチャルおよびリアル世界で自分自身のアピールにつとめ、自分のファンを事前にたくさんつくり、本が出た暁には自分で積極的に宣伝告知して自分のファンを中心に買ってもらう、それも数千部単位で、ということを考えないと、なかなかヒット作にはならないだろう。

うちでもいくつかの本を書いてくださった大勝さんが執筆・監修しているメールマガジンのタイトルは『本を書こう。著者が自分で売る時代の出版戦略研究』という。

「著者が自分で売る時代」

実際、ビジネス書の場合、著者さんが自分で積極的に告知や販売に動いている本が、売れるケースが多いように思う。出版社と書店だけにまかせておいても売れる本って、少ないような。

お客さんが買う本は、テーマや内容や文章で選ばれるよりも、著者で選ばれる。もしその傾向が強いというのが本当だとすれば、出版社は「本」を宣伝告知するよりも「著者」を宣伝告知したほうがいいんじゃないか。どんなテーマで、どんな読者に向けて、どんなことが書かれているなんてことを紹介するよりも、この本を書いたのはどんな人かを紹介したほうがいいんじゃないか。

本のちからだけで売れる本なんて、そんなにないのだから。





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