増刷分から値上げって、ありなの?
某所の書き込みで知ったのですが、講談社さんで発行しているコミック『のだめカンタービレ』の定価が、増刷分から値上げされているのだそうです。
いま楽天ブックスとAmazonとで検索してみたところ、楽天ブックスでは2巻のみが税込410円(旧価格)で、他は420円、Amazonでは2巻と17巻のみが税込410円の旧価格で、他は420円になっていました。きっと、旧価格版が売り切れて新価格版が入荷した際に表示定価も直してるんでしょうが、楽天で420円で売っている17巻とAmazonで410円で売っている17巻のISBNを見てみたら、どちらも同じようなんですよ。
こういうのって、ありなの?
コミックは、いわゆる単行本とはたしか扱いが違うんでしたよね。雑誌なんかと同じような扱いなんだっけ? よくわからないんですけど、書名もカバーもISBNコードも同じなのに定価だけが違う本が同時に存在するというのが、うまく想像できないのですよ。
書店さんも読者さんも、混乱するんじゃないだろか。
ビジネス書でも、見た目はほとんど「増刷」で、カバーデザインもほとんど変わらないのだけど、ISBNコードは新しい番号をつけて、定価を少しあげたりすることはあります。場合によっては書名のそばにひっそり「新」とか「改訂」といった文字をつけたしたりもして。
つまり、見た目はかぎりなく「同一商品の増刷版」に見えても、データ登録上は「まったく別の本」扱いにするのがお約束事項なのだろうと思ってたのだけど、少なくともコミックの場合はISBNを変えない=同一商品のまま「定価だけ変える」ことが可能ということなのでしょうね、きっと。もしかすると、コミックだけでなく、ビジネス書とかでも制度上はそういうことが禁止されてはいないのかしら。
たとえば、定価1200円のよく売れている本があったとします。仮に、その本の定価がもう100円高い1300円だったとして、その100円の差で実売数が大きく下がるかというと、そうでもないんじゃないかと思うこともあるのです。商品にもよるけれど。であるならば、増刷のときに価格改定をして1300円にできれば、会社として売上面で助かるよなぁと思うわけで。定価表示があるのはたいていカバーだけだから、カバーだけ印刷してかけ替えるのでもいいな。
このときにISBNを変えて「新刊扱い」にしてしまうと、書店さんの棚に在庫がある旧コードのものがいかにも「古い本」のように思われてしまい、返品の筆頭候補に挙げられてしまいそうです。とくにビジネス書の場合。いまは問屋さんも書店さんもきちんとデータ管理してますからね。それに、書籍本体にはISBNが記載されているので、古い版に新しい版のカバーをかけて再出荷することもできない=旧コード版は断裁するしかない。
だから、コードはそのままで、書店さんに気づかれずにひっそり(^^;)と定価を上げられたら、出版社的にはラッキーな感じなんだけどな。書店の棚に残っている旧コード商品は旧コード商品できちんと売れていき、補充および新規注文時には新コード品が納品されることで、まとまった返品を受けるリスクが避けられるし、仮に旧版が返品されてきてもカバーを架け替えるだけで新定価として出荷できる。
でも、やっぱ売り場が混乱するよねぇ。価格違いの存在に気づいたお客さんからのクレームも発生しやすそうだし。それを考えると、まったくの同一商品(同じISBN)のまま、増刷時に価格だけ変えて出荷するってのは、やっぱやれないなぁと思う。少なくとも、うちみたいな中小出版社がやったら書店さんにめっちゃ嫌がられて以後の商売がすごくやりにくくなりそう。やっぱり大手出版社の超人気商品だからできることなんでしょうね、きっと。いろいろな意味で。
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