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2008/03/17

「場」が楽しければ必ず売れるかどうかはわからないけれど、楽しくない「場」で買い物したい気持ちはまず起きない


ちょっと前の記事なのだけど、「dominoの編集後記」2008年2月10日の「[余談]まったくの余談」より。

私はせっかくのリアル書店ということもあって、どちらかというと「場」主義で、売れるか売れないかは「場」が楽しいかどうかにかかってる、と思う傾向が強いんです。

こういう感覚、いいな。

実売データはもちろん重要で、そのデータを読みながら効率よく販売し効率よく利益を出すことも商売としてはとても大切なんだけど、だからといってデータから計算された「売れるもの」ばかりを売るようになっちゃうと、商いとしてのおもしろみは少なくなってしまうように思う。

商売で成功するには、自分が売りたいものを売るんじゃなくて、お客さんが買いたいものを売ることというのは、そのとおりだろう。そして、「売れた」という実績があるものは、売れたことのないものよりも、また売れる可能性が高いのではないかと推測できるので、「売れた」実績のある商品群を中心に品揃えをすることが利益につながりやすいだろうとも推測できる。

購入の意思決定時に生身の人間と直接対話をしないネットショッピングとかだったら、それでもいいかなぁと思う。でも、人間が働いている店に自分で出向いていって、自分で実際に商品陳列を見て、気になる商品を手にとって確認し、レジに持っていてキャッシャーさんに手渡し会計をしてもらって購入するときは、売り場に、その売り方に「人」を感じたい。

生身の人間がいる売り場で買い物をするっていうのは、売り場をつくった「人」、売り場を構成する「人」を感じて、その「感じ」を楽しむっていうことでもある。「人」の感じがない売り場なら、そこで買わずにネットで買っても同じ。むしろネットのほうがいろいろ楽だ。たいがいのものがネットで買えるなかで、あえてリアルショップで買い物をする楽しみは、やっぱり「人」に、売り場に漂う「人の感じ」に、あると思うんだな。

ただ、「人」が出す「感じ」はけっして「楽しい」ばかりじゃない。売り場をつくる人間が、いやいやだったり、投げやりだったり、無関心だったり、疲労してたりすると、そうした「よくない感じ」も売り場にうっすら漂ってしまう。そして、そういう空気って、けっこうお客さんは感じてしまうんだよな。

たとえば華やかな飾り付けをして派手な照明をつけ見た目をにぎやかにしても、それを行なった「人」自身が楽しんでいなかったなら、やっぱりどこかに楽しくない感じがうっすらとにじみ出てしまう。お客もそれに気づいてしまい、買い物を楽しむ気分がしぼんでしまうんだな。

買い物はエンタテインメントだから。だから、売り場もエンタテインメントの場であってほしい。売り場が楽しければ、買い物を楽しみたい気持ちも高まる。また売り場に来たい、売り場の雰囲気を楽しみたいという気持ちにもなる。そうすれば、何回か来店するうちに、実際に商品購入をすることもあるだろう。

だけど、売り場が楽しくなければ、必要に迫られているうえにほかに選択肢がなく行かざるを得ないときしか行きたくない。なにかを買う気で出かけても、楽しくない売り場では買う気がしぼんでしまう。

それはきっと、書店でも同じはず。本屋さんは、本を売る物販店なんだから。ビックカメラがパソコンや家電を売るように、西友が肉や野菜を売るように、本という商品を売っている物販店なんだから。でも、ビックカメラや西友のように「売り場の楽しさ」「売り場の勢い」「売り場の活気」というものを意識することは、書店にもあるのだろうか。書店の売り場を「買い物を楽しむ場」としてお店側が意識することは、あるのだろうか。そういう書店って、多いのだろうか。

「売り場」が楽しいこと、楽しい「売り場」をつくることをスタッフが楽しめることって、重要だと思うのだな。そして、その売り場をお客さんと一緒に楽しめること。商いのおもしろみって、そこにあるんじゃないのかなぁと思うのであった。





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