本に関して想うこと

2008/08/26

読者は本を選び、本は読者を選ぶ


きっと、世の中に「完全に悪い本・ダメな本」なんて、ない。
「まったく誰の役にも立たない本」なんて、ない。

あなたの役には立たなくても、
ほかの誰かにとっては役に立つ(部分がある)に違いない。
あなたにとってはつまらない内容でも、
ほかの誰かにとってはおもしろい(部分がある)に違いない。

読者が本を選ぶのと同じように、本はそれを読む読者を選ぶ。
「役に立たない」「つまらない」のは、
それが「悪い本」「ダメな本」だからではなく、
あなたが「本を選ぶ」ことに失敗しただけ。
本が、あなたを「読者として選ぶ」ことをしなかっただけ。

だから、自分で読む本は、自分で選びたい。
誰かが選んだものを読むのではなく、自分で選んで読みたい。
誰かが選んだその本は、
その「誰か」を読者として選んだかもしれないけれど、
あなたも読者として選んでくれるとはかぎらない。

だから、自分で読む本は、自分で選びたい。
自分を読者として選んでくれる本を、自分で選びたい。

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9月2日発売の

『いまの仕事で本当に幸せになれますか ~自分にぴったりの《天職》を見つける本~』

の見本が刷り上ってきましたー。カバーの空色がきれいに印刷されてて爽やかです。

この本を、どんな人が選んでくれるかな。
この本は、どんな人を読者に選ぶかな。

たぶん、

夢はあるのだけど、最初の一歩を踏み出す勇気がなかなか出ない人。
夢を見つけたいのだけど、夢の見つけ方がわからない人。
いまよりもっと、イキイキと輝いて仕事をしたい人。
「やりたいこと」や「幸せな生き方・働き方」を探している人。

そんな人が、この本との相性がよさそうです。

書店さんには9月2日ころから並び始めるはず。
Amazonではすでに予約受付中。







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《新聞広告掲載予定のお知らせ》

8月の新聞広告掲載予定です。

日経新聞   5日(火)
東京新聞   6日(水)
中日新聞   7日(木)
神戸新聞   7日(木)
西日本新聞  8日(金)
北海道新聞  12日(火)
中国新聞   18日(月)
(明細)
★大喜利式発想脳トレーニング
★子どもの「学習脳」を育てる法則
★学校の勉強だけではメシは食えない!


書店さん、品揃えよろしくお願いします。
読者さん、広告を見かけたら、ぜひ書店さんで実物のご確認を。

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2008/08/15

著者が売る時代

最近では、本は、とくにビジネス系書籍は、いかに「著者が自分で売るか」が重要になってる。
「いまや本は著者が売る時代だ」という方もいる。

著者さんが自分で持っている人脈をフルに活用し、著者さんの行なう講演会やセミナー、研修会をフルに活用し、宣伝告知だけでなく、「著者さんのお客さん」に買ってもらう。
著者さん自身が書店さんを回り、営業活動をする。

さらに最近では、著者さん自らが費用を負担して、広告を打ったり、書店向けのFAX DMをつくって送ったり、書店での買上によるランキング操作をしたり。
流行りのAmazonキャンペーンだって、それにかかる告知費用(ウェブページの制作とか、メルマガへの出稿その他)はたいていの場合、著者さんが自分で出す。
こうした販促活動にかかる費用は、場合によっては100万円か、それ以上することもあったりする。
その費用を著者さんが、自分で出してる。

出版社としては、こういうのってありがたい。
実際、いかに著者サイドでの販売が見込めるか、著者グループによる購買が見込めるかは、出版社にとって無視できない大きな要素になってる。
単純に本をつくって書店さんに並べるだけでは、なかなかヒットにならないというのもわかってるつもり。

だから、著者さん自身に「自分の本を売ること」についての意識を持ってもらい、積極的に宣伝・告知をしてもらいたいとは思う。友人・知人に声をかけ、クチコミを広めてもらいたいとも思うし、時間があれば書店さんに挨拶に行っていただくのも助かる。マスコミにコネクションがあるなら存分に活用し、新聞、雑誌、テレビ、ラジオなどなどでぜひ紹介してもらいたいとも思う。

でもね、それはあくまでも「著者さんのできる範囲」であるべきだし、著者さんの積極的な気持ちでの範囲であるべきだよね。
著者さん自身が「自分の本を売りたいので、こういうことがしたい」あるいは「自分の本を売るためにできることはあるか」という気持ちに出版社が応えるかたちであるべきだと思う。

こちらから執筆をお願いして書いてもらった本について、著者に対し「ただ書くだけでなく、売る気を見せろ。“売る気”とは、自分で書店に営業に行くことだ、そして、なんらかのかたちで販促費を出すことだ」と出版社の側からいうのは、おかしいと思うんだ。それをはじめから著者さんに要求するのは、違うと思うんだ。

たしかに、そうしてもらえたら出版社としては助かる。
でも、それじゃ出版社の仕事って、なんだよ?
著者さんにお金を出させて、自分で営業に行かせて、こっちは本をつくるだけなんて、自費出版や共同出版とたいして変わらないじゃん。うちらは企画出版で本をつくって売ってるんじゃないのかよ。

そう思ってしまうので、著者さんに「営業に行ってください」「販促費用を負担してください」とは、なかなかいえない。
やってくださいとはいえないけど、こういうやり方がありますよと、情報提供を装って伝えたりはする狡さに、ちょっと哀しくなる。
もしかして、話に乗ってくれたらいいなとか思ってる。

やってくださいとはいえないけど、自主的に、積極的にやってくれるというなら、やはりすごくありがたい。
そうしたことをやってくれる著者さんの本に対しては、営業部もモチベーションがあがるという。
そうしたことを積極的にやっている他社さんの本はよく売れていると訴える。
実際、たくさん売れる本にするためには、そういうアクションも必要なのだろう。

でも、やっぱり思う。
じゃ、出版社の仕事って、なんだよって。

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2008/02/18

章ごとのダウンロード販売、うちもやれたらなぁ

Random House、電子書籍を章ごとにダウンロード販売(ITmedia News 2008年02月13日)


自分は「本」を「レコード(CD)」と同じように考えることが多いのです。なので、前から思ってたんです。「アルバムで売るだけじゃなく、シングル・カットもしたいなぁ」って。要するに、まるまる1冊で売るだけでなく、章単位とか項目単位でも売りたいなと。

ビジネス書はだいたい1冊が200ページくらいあって、値段が1400円程度。これって、「内容的にどうしても200ページ程度が必要」だからこのページ数になっているかというと、そういうわけではないこともなくはなかったりすることもあったりするわけで(ゴニョゴニョ...)。

ぶっちゃけ、お客さんにとっては200ページのうちの「この章40ページ分だけが欲しい」こともあるだろうし、「この1項目だけが欲しい」こともあるでしょう。勉強家のビジネスパーソンさんたちはその「40ページ」や「1項目」を手に入れるために1冊分の値段である1400円を払ってくれるけれど、きっと多くの人は考えたことがあるはず。

この40ページだけでいいから、安く売ってくんねぇかなぁ。

自分はよく考えてました(^^;)。

制作比率とか利益計算そのたもろもろ等の関係で、ほんの数十ページの本とかは、なかなかつくりにくいのです。ページ数が半分だから定価も半分でつくればいいじゃんというわけにはいきません。だから、「本」というパッケージでのシングル・カットは難しいのです。

でも、デジタル・データなら? おおもとの1冊分のファイルをファイルカッターで切り出せばいいだけだから、加工費と加工の手間はかかっても、「ページ数の少ない本を別につくる」よりも費用的にも手間的にも簡単なはず。

だから、電子ブックができた頃から、章単位、項目単位の分割販売もやればいいのにと、ずっと思ってたのですよ。それに、1冊分ファイル1400円ではなかなか買う気が起きなくても、たとえば4章のうちの1章だけが400円で買えたなら、さらにはそのなかの1項目だけが150円くらいで買えたなら、ためしに買ってくれる人も増えるんじゃないか、そして電子ブックの手軽さや便利さ(があるのかどうかは実は知らないけど)を実感してくれたら、いずれまるまる1冊分のものも買うお客さんに育っていく人も増えるんじゃないか、とか思ってたの。

でもなぁ、うちはそういう方面については疎いし、会社としてあまり興味がないし、個人的にそれを研究するにも時間や費用の面で実現性が低いし(いや、これはたんにめんどくさいことはしたくないという自分の言い訳です)。

そんなこんなでうだうだしているうちに、やっぱりアメリカさんは違うね。さっさと始めちゃうわけだ。

これ、お客さんのあいだに定着してくれるといいなと、本当に思う。コンテンツの売り方に多様性がでることを歓迎する。そのコンテンツが「本」として読まれようが「電子ブック」として読まれようが自分にはどっちでもいい。読んでもらいたい、買ってもらいたいから商品化したのであるから、どういう形であれ読まれるなら、買ってもらえるなら、それは喜ばしいことだと思う。

本って、その形や売り方の大部分がメーカー(出版社)と小売店(書店)によって決められていて、買い手側の好みや事情に対応できる部分が少ない商品のひとつだと思う。本が「紙の本」だけでなく「データ」にもなることで、買い手・読み手にとって使いやすい方法がいくつも生まれ、選びやすい方法を選べるようになるといいな。


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2008/02/05

増刷分から値上げって、ありなの?


某所の書き込みで知ったのですが、講談社さんで発行しているコミック『のだめカンタービレ』の定価が、増刷分から値上げされているのだそうです。

いま楽天ブックスとAmazonとで検索してみたところ、楽天ブックスでは2巻のみが税込410円(旧価格)で、他は420円、Amazonでは2巻と17巻のみが税込410円の旧価格で、他は420円になっていました。きっと、旧価格版が売り切れて新価格版が入荷した際に表示定価も直してるんでしょうが、楽天で420円で売っている17巻とAmazonで410円で売っている17巻のISBNを見てみたら、どちらも同じようなんですよ。

こういうのって、ありなの?

コミックは、いわゆる単行本とはたしか扱いが違うんでしたよね。雑誌なんかと同じような扱いなんだっけ? よくわからないんですけど、書名もカバーもISBNコードも同じなのに定価だけが違う本が同時に存在するというのが、うまく想像できないのですよ。

書店さんも読者さんも、混乱するんじゃないだろか。

ビジネス書でも、見た目はほとんど「増刷」で、カバーデザインもほとんど変わらないのだけど、ISBNコードは新しい番号をつけて、定価を少しあげたりすることはあります。場合によっては書名のそばにひっそり「新」とか「改訂」といった文字をつけたしたりもして。

つまり、見た目はかぎりなく「同一商品の増刷版」に見えても、データ登録上は「まったく別の本」扱いにするのがお約束事項なのだろうと思ってたのだけど、少なくともコミックの場合はISBNを変えない=同一商品のまま「定価だけ変える」ことが可能ということなのでしょうね、きっと。もしかすると、コミックだけでなく、ビジネス書とかでも制度上はそういうことが禁止されてはいないのかしら。

たとえば、定価1200円のよく売れている本があったとします。仮に、その本の定価がもう100円高い1300円だったとして、その100円の差で実売数が大きく下がるかというと、そうでもないんじゃないかと思うこともあるのです。商品にもよるけれど。であるならば、増刷のときに価格改定をして1300円にできれば、会社として売上面で助かるよなぁと思うわけで。定価表示があるのはたいていカバーだけだから、カバーだけ印刷してかけ替えるのでもいいな。

このときにISBNを変えて「新刊扱い」にしてしまうと、書店さんの棚に在庫がある旧コードのものがいかにも「古い本」のように思われてしまい、返品の筆頭候補に挙げられてしまいそうです。とくにビジネス書の場合。いまは問屋さんも書店さんもきちんとデータ管理してますからね。それに、書籍本体にはISBNが記載されているので、古い版に新しい版のカバーをかけて再出荷することもできない=旧コード版は断裁するしかない。

だから、コードはそのままで、書店さんに気づかれずにひっそり(^^;)と定価を上げられたら、出版社的にはラッキーな感じなんだけどな。書店の棚に残っている旧コード商品は旧コード商品できちんと売れていき、補充および新規注文時には新コード品が納品されることで、まとまった返品を受けるリスクが避けられるし、仮に旧版が返品されてきてもカバーを架け替えるだけで新定価として出荷できる。

でも、やっぱ売り場が混乱するよねぇ。価格違いの存在に気づいたお客さんからのクレームも発生しやすそうだし。それを考えると、まったくの同一商品(同じISBN)のまま、増刷時に価格だけ変えて出荷するってのは、やっぱやれないなぁと思う。少なくとも、うちみたいな中小出版社がやったら書店さんにめっちゃ嫌がられて以後の商売がすごくやりにくくなりそう。やっぱり大手出版社の超人気商品だからできることなんでしょうね、きっと。いろいろな意味で。





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2008/01/18

本も「売り切り」「再発」を繰り返せばいいのかもしれない

紀伊國屋さんチェーンの月間書籍実売データを見てたんですよ。出版社ごとの実売数上位50点の一覧表を。うちのデータだけでなく、いわゆる「ビジネス書出版社」と呼ばれる他社さん数社のデータも一緒に。

上位50点に入る本って、ほとんどここ1年くらいのあいだに出た本なんですね。

当たり前といえば、当たり前です。普通に考えれば発行初月から数ヶ月の本のほうが、1年も前に出た本よりは売れるわけですから。初月に数千部の注文出荷があった本でも、2~3ヵ月後にはよくて半分くらいの注文数になり、半年後には数百部、場合によっては数十部なんていう残念な結果になることだってあるわけです。

そして、こう書房だって年間40点弱の新刊を出してますし、他社さんではもっと発行点数の多いところもあります。そうであれば、上位が発行1年くらいまでの本で占められて当然。むしろ、数年前の本が多く上位にリストされるということは「ちゃんと売れる新刊が出せていない」ことの証明にもなってしまうわけで、そっちのほうがまずい感じです。

でね、売上上位数点の実売数と、リストのいちばん下のほう、売上ランク40~50位くらいの本の実売数を見てみるとですね、歴然たる差があるわけですよ。20倍、30倍、場合によっては50倍以上の差があったりします。

もうね、売上順位40番目くらいの商品は、多い出版社さんでも40冊くらいしか売れてないわけですよ。ほとんどの出版社さんは20冊程度。10冊以下のところもあったりします。

これ、月間で、ですよ。しかも、「オール紀伊國屋月別ベストセラー」ってことは、紀伊國屋さんのチェーンまとめての数字ですよね? あの巨大チェーン、あの紀伊國屋書店の、しかもチェーンまとめても、月に10冊しか売れないなんて...

発行後半年くらいまでの本はおおかた、数十冊、数百冊単位で売れているんです。でも、それより前の本になると、いくつかの例外を除いて、がっくり落ちてくる。

これも、しょうがないですよね。だって、毎日何十冊、何百冊という新刊が発行され、書店さんに届くわけですから。書店さんとしては、新刊だからとりあえずは展示したい(しなくちゃいけない)だろうし、かといって棚のスペースは限られているから、来たものをただそのまま出すというわけにはいかないでしょう。

どの書店さんも、チラッと見ただけで、すでに棚にはぎっしり本が詰まっているのがわかります。ということは、新しく来た本を展示するためには、それと同じ分だけいまある本を返品しなくちゃなりません。

では、どれを返品するか。そりゃ、動きのあまりよくないものが上位候補になりますよね。そしてたいていの場合、本の実売数は右肩下がりに減っていくので、2か月前に出た本よりも半年前、1年前に出た本のほうが動きがよくないわけです。

こうしていっそう「新刊しか売れない(積極的に売っていない)」状況へと進むわけで...

本って、以前は「増刷を繰り返して利益を得る」「ベストセラーだけでなくロングセラーを狙う」という考え方が出版社にあったのだけど、もう、それって無理になってきてるような気がします。出版社にも、書店にも、ロングセラーを育てケアする余裕も体力もなくなっているんじゃないかと。

もちろん、なかにはちょっとした弾みでロングになる本もあるだろうけれど、そういう商品はもうレアケースなんじゃないかと。出版社や書店が各商品にかける通常の労力と情熱と資金で商品がロングセラー化することは、ほとんど期待できないんじゃないかと。

でね、思ったんですよ。新刊しか売れないんだったら、新刊しか売らなければいいんじゃないかって。どうせ発行後数ヶ月~1年程度のものしかきちんと売れないのなら、増刷を繰り返すとかロングセラーを狙うという考え自体を捨てちゃったほうがいいんじゃないかと。

どんな本も基本的に初版で売り切り。よほど大きな実売が出ているなら別だけど、それ以外は、多少の売り損じがありそうな感じがしても、増刷すればうまくいくかもなんていう夢は見ずに、潔く「品切れ」にしちゃう。どうせ数週間~数ヶ月すれば返品が来るのだから、それまでは品切れにし、それでもどうしても「ほしい」という書店さんには返品で対応。もし、思ったよりも返品がこなかったら、それはそれでOKと。そうして、その商品については1年以内に社内在庫を全部吐き出し(確実に吐き出せるだろうと思える分しか初版を刷らない)、2年以内に市場在庫(新刊書店の棚にある在庫)もなくなるようにする。

そうやって「売り切り」にしていった商品のうち、成績のよかったものに関しては3年後(市場在庫がなくなった1年あと)に、中身はそのまま(印刷用のフィルムを流用)、ジャケットだけ(場合によっては書名も)新しくして、「新刊」として発行する。もちろんこれも、その後は「売り切り」にし、1年で社内在庫を全部吐き出す。このときも満足のいく成績が出たなら、また3年後に、また新しいジャケットで新刊として「再発」する。

ジャケットを新しくする以外は「増刷」と同じなので、制作費も制作の手間も、それほどかかりません。これを繰り返せば「増刷を繰り返す」とほぼ同じなので、利益が出てくるようになるはず。

しかも扱い的にはあくまでも「新刊」なので、書店さんもきちんと展示しないわけにはいかない(^^;)? お客さんも、新刊以外にまで注意をはらっている余裕がある人は少ないから、増刷して「既刊」のまま棚においておくよりも手にとってくれる確率、買ってくれる確率が増えるはず??

ポイントは、市場在庫がなくなって少し間をおいてから復刻する、ということ。市場在庫があるうちに復刻すると、復刻前のものが一気に返品されてしまい、利益を圧迫します。市場在庫がなければ、復刻しても返品の危険がなくなります。

しかも、成績のよかった本であればきっと、「あの本、評判がよかったので読みたかったのだけど、最近は売ってないんだよな。あのとき買っておけばよかった。失敗したなぁ」と思ってくれる読者もいるはず(超希望的観測)。ほしいのに、手に入らないという渇望感を与えられます。そんなときに「あの名著がジャケットを新しくして復刻」のアナウンス。今度はなくなる前に買っておこうと、購買意欲がアップすると(これ以上ないほどの楽観的観測)。

どうでしょう(^^;)。こうすれば、出版社は新刊点数をそろえるために無理な企画を無理やり本にすることもなくなり、ちゃんと売れる(売れた)本だけを「新刊」のラインナップに入れていくことができます。新規企画は「売れなかったために復刻できなかった商品数分」だけつくればよく、結果として1企画にかけられる時間も増えるはず...?

これって、音楽業界での洋楽アルバム販売のやり方ですよね、たぶん。

人気アーティストのアルバムでさえ、超ベストセラー・ロングセラー以外はイニシャルで売り切り。数千枚の初回プレスが市場からなくなったら、そのあとしばらくは品切れ・廃盤です。そしてしばらくして、紙ジャケットだとか、新ライナーノーツとか、ちょっとだけ見た目を変えて復刻発売する。「待望の紙ジャケ!」とか「あの名盤がやっと手に入る!」とか適当なあおり文句の宣伝をつけて。

そして、それにつられてふらふらと買ってしまうファンも意外と少なくなかったりして。特定のアルバムについてすべての復刻盤・再発盤を持っている人って、実際にいますし。

それに、毎年のように発生する「新しく洋楽を聴く人になった人」は、そうした「復刻・再発のアナウンス」で過去の名盤に触れ、新たにそのアルバムやグループのファンになっていっくことがあったりする。そうやってロングセラー化していくのですよね。

本もね、同じような考え方って、できないかなぁと。新しい企画、新しい本をつくっていくことはもちろん大事だけど、新しい本だけをつくり続け、市場に投入し続けなくちゃいけないっていうこだわりは、捨ててもいいかもしれないなと、ちょっと思っているのです。そこにこだわるから、「新しい本」にするために実は新しくないテーマや内容に無理やりのアレンジを加えなくちゃいけなくなったりする。せっかくの良書にも、「リニューアル」や「リメイク」の名のもとに余計な手を加えてしまう。結果、いびつな本や中途半端な本ができあがってしまったり。

それよりも、過去に読者に喜ばれた本を内容はそのままに、装いだけ変えて再投入するほうがいいんじゃないかと。リニューアルやリメイクでヘタに内容に手を入れてせっかくの完成物を壊すよりも、手を入れるのは「見た目だけ」にして、新刊として新しい読者(となるであろう人)の前に再登場させたほうがいいのではないかと。そういう本がもっと新刊扱いで書店に再度入荷されることがあってもいいのではないかと。その分、無理な企画や内容の「新しい本」の点数を減らすことができないかと。

けっきょくそれが、よい本を長く読み継いでもらえる=ロングセラー化につながる道のひとつなのかもなぁと思ったりする今日この頃なのです。





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2007/11/14

せんべいのそばでキャラメルを売る、働きマンのそばでディズニーを売る


何ヶ月か前に読んだニュース。

森永製菓が商品の「ミルクキャラメル」を、それまでのチョコレートやキャンディといったスナック系洋菓子の棚だけでなく、せんべいやかりんとうなどの和菓子の棚にも置きはじめたらしい。

これまでは、キャラメル=スナック系洋菓子だから、ジャンル的に近いと思われるキャンディやチョコレートなどのスナック類が置いてある棚で販売してた。でも、「ミルクキャラメル」を好んで食べるのは若い人でなく、実は50歳代以上の購入者が半数以上だということがわかったそうだ。

チョコレートやキャンディの棚に来るのは、主に若い世代。年配のお客様は、めったにこの棚には来ない。それではお客様の目に触れない、買ってもらえない。

それでは、年配のお客様が立ち寄りやすい棚は? そう、お菓子なら、おせんべいやかりんとう、ようかんなどが置いてある棚。あるいは、日本茶などが置いてある棚。ならば、そこにもミルクキャラメルを置こう。

その結果、店舗によっては売り上げ前年比が4倍に増えたんだそうです。

お店にいっても、店内をすみからすみまでくまなく見てまわるなんてことは、あんまりしませんよね。行きつけのお店だと、とくにそう。見る棚は、だいたいいつも決まってる。なので、その棚にない商品は、そのお店自体にないのとたいして変わらない。

だけどお客さんは、ふだんよく行く棚のもの“だけ”しか買わないわけじゃありません。ほかの棚も見るという余裕や意識が弱いだけで、ほかの棚にある商品のなかにも見かければ買いたくなるものはいっぱいあるはず。

だから、売り手・つくり手の理論で「ジャンル分け」した商品展示をするだけでなく、それを買う人が興味を持ちそうなものをジャンルにこだわらず隣接展示することで、新たな販売機会が生まれることも少なくないわけです。

そういうの、スーパーマーケットとかは上手ですよね。肉、野菜、調味料とジャンル分け展示が基本になっているけれど、寒い日は肉と野菜と調味料を少しずつ1箇所に集めて「お鍋の材料棚」をつくったりする。遅い時間になったら惣菜屋お弁当とドリンク、おつまみなどを1箇所に集めて「お仕事おつかれさまの夜食コーナー」をつくったりする。

Amazonなども、上手ですね。本を検索すると、検索した本の関連書籍だけでなく、過去にその本を買った人が一緒に買った本をジャンルに関係なく表示する。イタリア料理の本を買った人はイタリア料理だけに興味があるのではなく、お料理全般が好きかもしれないし、イタリアワインも好きかもしれない。イタリア語も勉強したかったり、イタリアの音楽や映画、文学、絵画、教会建築、その他もろもろも好きかもしれない。

その商品が、それを買う人の購買テーマのなかの、どんな部分に位置づけられているか。そういうイメージを持ちながら商品展示を考えるのは、きっと楽しいだろうな。


東京・渋谷にあるブック・エキスプレスという書店さんでは、大人気でドラマ化もされているコミック『働きマン』の横に、『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』(楽天ブックスで買う)(Amazonで買う)も置いてくださっているのだそうです。

一生懸命働くことが大好きな『働きマン』の主人公。このコミックを読む人は、きっと「一生懸命働く」ということにたいして肯定的な意識を持っていらっしゃる方が多いでしょう。そういう読者ならきっと『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』も興味を持って読んでくれるはずです。なぜなら、この本にも「ときには辛いこともあるけれど、一生懸命働くことは楽しいし素晴らしい」というお話がたくさんあるからです。

そして実際、その場所から『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』を買っていってくださるお客様が、たくさんいらっしゃるのだそうです。

コミックの棚にくるお客さまは、ふだんはビジネス書の棚にはいかないかもしれません。これまでにたくさんの方が読んでくださったこの本ですが、コミック棚のお客さまは初めてこの本の存在を知ったかもしれません。そして、興味を持って、手にとり、買ってくれたかもしれません。そしてこの本をきっかけに、コミックだけでなく、活字の本のおもしろさも知ってくれるかもしれません。

『働きマン』の横に『社会人として大切なことはみんなディズニーランドで教わった』を置く。これ、うちの営業担当者がお願いしたんじゃないのだそうです。売り場の担当さんが、この読者はきっとこれも気に入るに違いないと考えて、独自の判断で置いてくださったのだそうです。さすがです。


自分が営業部配属だった十数年前、書店の棚、とくにビジネス書の棚は、出版社ごとに分けて商品が展示されていました。当時、明文図書という専門書の問屋さんで都内の某大型店を担当されていた方が、新人営業マンだった私に教えてくれました。

「あまろ~ねくん、スーパーとかコンビニとか見てごらん。おかしの棚を見ても、グリコはグリコ、明治は明治、森永は森永なんて、メーカーごとに展示しているお店なんてないよね。チョコレートはチョコレート、クッキーはクッキーの棚にあるじゃない。なのになんで書店は、本の内容に関係なく、出版社ごとに展示してる。これじゃダメなんだよ。お客さんにとって、出版社がどこかよりも、なんの本なのかのほうが大事なんだから」

いま、多くの書店さんでは、本のテーマや内容ごとに棚が分けられるようになりました。あの担当さんは、いまだったらなんていうでしょうか。

「商品のテーマや内容ごとの展示なんてあたりまえなんだよ。スーパーとか家電量販店とか見てごらん。お客さんのライフスタイルや興味の広がりに関連付けた棚づくりをしてるだろ? 商品アイテムが多いから、組み合わせや楽しみ方の提案であらたなお客さんにアピールしてるんだね」

渋谷のブック・エキスプレスさんのようなお店(担当者さん)が、もっと増えるといいな。





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入社員教育は、内定段階から始まっています。これから4月の入社時期までに、内定者たちに対してなにをすべきか。4月にむけて教育担当者が準備しておくべきことはなにか。

新社会人たちの未来は、内定期間中の教育および入社からの3ヶ月間にかかっています。真剣に「新入社員を育てたい」あなたが読むべき本が、ここにあります!

カバー写真
『新入社員が劇的に成長する3か月プログラム』



楽天ブックスで買う
Amazonで買う

ちょっと大げさでしたかね(^^;)。




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2007/11/07

消費行動のパターンがわからん


本を買った人って、「買おうかな」と思った本の情報をどこで仕入れたのだろう?
書店の店頭で?
クチコミ?
テレビ、はないか。雑誌や新聞の紙媒体?
Blogやメルマガなどのネット経由?
知人・友人からのクチコミ?

「買おうかな」と思った本を「買おうかな」と思わせた要因はなんなのだろう?
テーマがいいから?
その著者のファンだから?
カバーがよかったから?
タイトルがおもしろそうだったから?
すでに話題になってるから?
誰かが「いい」といったから?

「買おうかな」という思いが実際に「買う」という行動に変わった要因はなんなのだろう?
文章内容?
著者のネームバリュー?
価格?
持ったときの質感?
誰かの推薦・賞賛?
衝動的に?

こういう本をつくれば、こういうような人たちが読んでくれるはずだ。
こういうような人たちのために、こんな本をつくりたい。
そういうことは、考える。

でも、それって商品と消費者をあまりに直線的かつ最短距離で結び付けた考え方のように思える。

読者のいそうなテーマを選んで本をつくり、書店の店頭に置く。それを読者が買う。そんな直線的かつ最短距離の結びつきで、本の多くが買われているのだろうか?

ある商品の存在を消費者が知り、興味を抱き、実際の購入行動へと至るまでには、物理的な、心理的な、いくつかのプロセスがあるはず。その、それぞれの段階で、適切なアプローチや動機づけを消費者に対してする。そうすることで、ゴールである「購買活動」への到達度を上げる。おそらく、多くの商品販売の世界で、当たり前のこととして考えられていることのはず。

本の場合も、存在認知から購買のあいだには、何段階ものプロセスがあるはず。書店で手にとり、購入するというのは、そのなかのほんの一部分ではないのか? もっと全体のプロセスを見て、各段階でのアピールや動機づけの方法を考えたほうがよくはないのか。

だけど、書籍の場合に、消費者はどんなプロセスを踏んで購買に至るのか。そのプロセスが、そのプロセスパターンが、自分にはわからない。





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預かり資産セールスでも、消費行動パターンの段階ごとにプロセスをきちんと踏める人が「成果をあげるトップセールス」になれる。そのプロセスを解説したのがこの本。

カバー写真
『投信・個人年金セールス実践マニュアル』

楽天ブックスで買う
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「本」と「読者」の間の購入プロセスをきちんと分析・解説したわかりやすい本って、どこかにあるのかしら...





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2007/10/25

自分はパッケージを買うけれど


大物バンドが仕掛けたネット販売に音楽業界が激震!?(日経トレンディネット)

こういうことって、いずれ出版の世界でも起きると思う。というか、すでに起きはじめているのだろう。

欲しいのはコンテンツそのもの、内容そのものだとするならば、それが既存のパッケージの形でなければならない理由はない。既存のパッケージという、ある意味で「特殊な形」に押し込むことを考えるから、パッケージ製作の設備やノウハウを持っているところと組まねばならず、その設備やノウハウの利用料も払わなければならない。

でも、コンテンツの受け手にとって入れ物自体はなんでもいいなら、無理に既存のパッケージに押し込む必要はない。コンテンツそのものが、よい状態で手に入れられるなら、どのような形で入手してもかまわない。

物理的な形のないコンテンツそのもの。
コンテンツを扱いやすくするためのパッケージング。
パッケージング自体をもうひとつのコンテンツとして付加価値を持たせたもの。

同じコンテンツの提供方法でも、いろいろな形があっていい。提供にかかる手間ひまや費用などにあわせて、いろいろな売価で売ればいい。

自分は音楽ファンで、毎年たくさんの音楽を買うけれど、やっぱりCDかLPで買ってしまう。プレイヤーの上で円盤がまわっていないと、なんだか寂しいから。でも若い人たちはとくに気にせずダウンロードで音楽を買い、携帯プレーヤーどころか携帯電話で聴いたりしてる。もし自分が彼らと同じ世代だったら、そういう購買行動にも音楽の楽しみ方にもさほど違和感を感じないだろう、きっと。

古い世代だから、いまもパッケージで購入するけれど、パッケージ自体がない販売スタイルに若いころから慣れている世代だったら、コンテンツによってきっと購入する形を変えていたことだろう。

本が「本という形」でなくてはならない、そうであってほしい、と感じる気持ちは、これに似てるのかもしれない。乱暴にいってしまえば、けっきょくは「慣れ」の問題かと。

人間はどんな環境にも、いずれ慣れてしまうといったのは、ムルソーだったかな。




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またまた増刷が決まりました! 発売から2か月経たないのに第4刷、20000部突破です!!


カバー写真
『銀座流 売れっ娘ホステスの会話術』

楽天ブックスで買う
Amazonで買う



男の話は、目で聞く。言葉ではなく、声に耳に澄ます――。
これはいったい、どういう意味? ここに「男が魅せられる」秘密が!



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2007/10/23

「本来の棚」でないところでも売ってくださりありがとう

カバー写真『サービスマインドをたかめる物語』(楽天ブックスで買う)(Amazonで買う)がですね、おかげさまで新宿の紀伊國屋本店さんで売れ行きが好調なのです。営業部Kさんの日報に書いてありました。

さて、紀伊國屋本店さんといえば、とっても大きな書店さんです。そこで売られている本は、細かくジャンル分けされ、ジャンルごとに棚に入れられ、展示販売されています。大雑把に「ビジネス書」とひとくくりできる本でも、「独立・起業」だとか「自己啓発」だとか「リーダー・管理者もの」だとか「経営」だとか「セールス」だとかその他もろもろにジャンル分けされ、それぞれのジャンルを扱った棚で売られます。

ここで問題です。Kさんの日報に「売れ行き好調!」と書かれたこの本、紀伊國屋さんのどこの棚で売られているでしょうか?

チッチッチッチッチ.... はい、時間切れ。

この本は、タイトルからもわかるとおり、いわゆる「ビジネス書」で、多くの書店さんではビジネス書のなかの「接客・サービス」などに関連した棚で売っていただいているようです。また、レストランを舞台にした読み物じたてになっていることもあり、「飲食店の経営・運営」に関連した棚に入ることもあるようです。

ビジネス書ジャンルの「接客・サービス」や「飲食店の経営・運営」に関した棚。これがいわば、この本にとっての「本来の棚」です。紀伊國屋本店さんでも、こうした棚で主に売られています。

ところがところが、Kさんが日報で「売れ行き好調!」と報告しているのは、実はこうした「本来の棚」での売れ行きのことではないのです。

6階の「料理」のコーナー。

そうです、ビジネス書コーナーではない、いわゆる一般書・実用書などと呼ばれるジャンルのなかの「料理」に関係した本を展示・販売するコーナーで、この『サービスマインドをたかめる物語』がよく売れているというのです。最近ではむしろ、ビジネス書コーナーでよりも料理書コーナーでのほうが売れているかもしれないくらいに。

この本は、レストランを舞台に、従業員がいかにして「接客サービスの心」を大切に育むか、というのが大きなテーマになっています。ですので、サービス業、接客業に従事する人のなかでも、とくに飲食業のホールで働いている人にもっともアピールしやすいないようだと思います。

飲食業関係のビジネス書は、主にビジネス書の棚にコーナーがあり、そこで売られることが大半です。そして、そういうコーナーに置かれる本の多くは、独立開業のしかただったり、コンサルティング的な立場からのメニューづくりを解説したものだったり、店舗運営マネジメントに関する実務書だったりします。

もちろん、そういう本は大切ですし、そういう本に対する需要もあります。これからお店を始めたい人は独立開業の本を読むでしょうし、すでに店舗経営・運営をしている人はマネジメントやメニューのABC分析に関した本なども読むでしょう。

でもね、実際に現場で働いている人が、そういう本を展示してある棚にどのくらいの頻度で行くかというと、そんなに高くないと思うわけです。独立開業の本も、マネジメントやABC分析の本も、ある特定の時期に集中して棚前に行き商品を物色しめぼしいものを購入したら、その後はめったに来ない、ほとんどこないんじゃないかと。

ところが、料理本のコーナー。

お客様に飽きられないレストランであるために重要であるけれどとくに個人店・小規模店にとっては難しくたいへんであることのひとつが、メニュー改訂なんです。新メニューを開発し、既存メニューの一部と入れ替える。それを定期的に、できれば年4回、季節ごとに行なう。これってすごく大切です。

だけど、難しいんですよ。新しい料理のアイデアをひねり出すのって。

そこで、多くの個人店はどうするか。料理本のコーナーに行くんです。料理関係の雑誌を見たり、さまざまな料理のレシピが掲載されている本を読んだり。「自店でこれまであまり出したことがないような料理」が載ってそうな本を、定期的に見るわけです。そうすることで他店での人気メニューや最近のヒットメニューの傾向などを感じていくわけですね。

だから、「料理書」のコーナーにはけっこう頻繁に訪れるようです。飲食店従事者の方が。おそらく、ビジネス書ジャンルの「飲食店」コーナーよりも何倍も頻繁に。そしてこの『サービスマインドをたかめる物語』は、飲食店従事者の方にもっともアピールするであろう本なわけです。なので紀伊國屋さんでもきっと、料理書コーナーでの売れ行きがとてもいいのでしょう。

目的外とは少し違う、「ついで」買い。別の目的である場所へ行ったら、目的のものとはあまり関係ないけど「自分にとって興味のあるもの」がその場書に置いてあったので、ついでに手にしてしまった、みたいな感じでしょうか。

「目的」で分類するのは大切だけど、それを必要としたり興味を持っている「人の集合」で分類するのも、けっこう大切なんだよね。それを理解し、「本来の棚」でない場所にも置いてくれた紀伊國屋本店さんに感謝。そしてたぶん、それを紀伊國屋さんにすすめてくれたのであろう営業部Kさんにも感謝。そしてもちろん、この本の存在に気づいて買ってくださったお客様にもメガ感謝。





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女性向けエッセイ書のコーナーでとてもよく売れてるようです。
若いOLさんや女子学生さんなども買ってくださっているらしい。


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2007/10/19

「売れそう」と「おもしろそう」

もうずいぶん前のことだけど、「帰ってきた炎の営業日誌」に杉江さんが、企画アイデアを前にしたときの反応について書いていたことがあった。正確には覚えていないのだけど、おおよそこんな感じだったと思う。

杉江さん「この企画、売れそうですよね」
編集者「うん、おもしろそうだね」
杉江さん「おもしろいですよ、きっと売れますよ」
編集者「うん、おもしろそうだ」

以下、杉江さんがいくら「売れそう」「売れる」といっても、編集者はけっして「売れそう」とはいわず、「おもしろそう」を繰り返すばかり。

営業マンである杉江さんは、その企画が本になったときに「売れるかどうか」に興味の多くがいくのに対し、編集者は「本としておもしろいものがつくれるかどうか」に興味の多くがいく、そこに営業マンと編集者の、企画に対する評価の違いを感じる...

こんなようなことが書いてあったと記憶している。

そういうのって、あるよなぁ、やっぱり。

そりゃ、おもしろそうと思った企画が実際に「おもしろい本」になり、そのうえ「売れる本」にもなるのがいちばんだけど、そうそういつもうまくいくわけではない。

「おもしろい」と「売れる」の両方は難しいけど、どちらか片方ならいけそうなことはある。そのときに、「おもしろいけど、あまり売れなさそうな本」と「おもしろくないけど、売れそうな本」のどちらかを選んでつくれといわれたら、やはり自分は前者を選んでしまうだろう。

だけど、商売的には後者を選ぶべきなんだよな、きっと。「おもしろい」という判断基準をどう考えるかも難しいし。

ちなみに、うちの会社のトップ(創業者で前社長・現会長)は、ビジネス書の発行・販売にかかわる業界人ならおそらく誰でも知っているであろう某大手出版社で編集長を務めたことのある、いわば生粋の編集者。そして、もうひとりのトップである現社長は営業部長を経て社長に就任。

社内で検討される企画は、編集長、社長、会長の評価・判断を経て決裁されるのだけど、そこにもおぼろげながら「編集=内容重視」「営業=売れそうな匂い重視」の傾向が感じられる気がする。

いまのところ、人数的にも(編集2名 vs 営業1名)、年齢的にも(会長>編集長>社長)、在籍年数の点でも(会長>編集長>社長)、編集側が優勢な感じで(そもそも創業者である会長の発言力・影響力だけで5人分くらいありますし。笑)、評価・判断もそういった感覚が少し上回っているかなとそこはかとなく感じられる決裁もときどきあったりします。

これがもし、営業あがりの社長がもっと強い発言力と影響力を持ち、営業的な評価・判断=売れそうな匂い重視の決裁が優勢になったら、もしかしたらもっと儲かる会社になるのかもしれないという気がしなくもなし。制作者としてはつらい感じになりそうだけど(^^;)。

きっとなぁ、あの企画とか、あの企画とか、会長は楽しみにしてるっぽいけど、社長は心配してるんじゃないかなぁとか思ったりするわけですよ。

本のつくり手側にいたことのない社長の感覚って、やはり本のつくり手側にはいない一般消費者の感覚により近いような気がして。だから、細かい内容説明をする前の、おおまかな趣旨紹介の段階で社長が「売れそうな匂い」を感じるかどうかって、もっと重視したほうがいいかもなぁとか思っている今日この頃なのです。





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まもなく増刷が刷り上ってきます!

女性は、男心をガッチリつかむための実践的なテキストとして。

男性は、自分の持つ男性心理の確認し(そういえば、そうだなと思う指摘がたくさん)、女性との良好な関係づくりの参考に。


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2007/10/05

本を手にする人には

本を読みたい人と
本を買いたい人が
いるのかな

もちろん
読みたいから買う人もいるし
買ったものを読みたい人もいるだろう

読みたいからと本を買っても
買っただけで読まないこともある
だとしたらそれは
本を読みたかったのではなく
本を買いたかったのだろう

買ったものを読みたいと思って本を買っても
買っただけで読まないこともある
そしたらやっぱりそれは
本を読みたかったのではなく
本を買いたかったのだろう

本を読みたい人は
買っても読むし
借りても読むし
もしかしたら拾っても読むかもしれないし
手元にある本をまた読み返すかもしれない

本を読みたい人と
本を買いたい人が
ともに同じ数だけの本を手にしても
手にするためにお金を出して買った冊数は
ずいぶん違うのじゃないだろうか

商売を考えるなら
本を読みたい人が読んで楽しめる
深い考察や洞察があり
発見があり
読み応えのある
しっかりした文章や内容を追求するより
本を買いたい人がつい買いたくなる
奇抜だったり
旬だったり
共感しやすかったり
わかりやすいテーマやタイトルを
あるいは認知度の高い人気著者を立て
楽に短時間で読める文章や内容を追求するほうが
いいのかもしれない

買ってさえもらえれば
読んでもらえなくてもかまわない
それが本音

読んでもらえるなら
読んでよかったと思ってもらえるなら
たとえ買ったのでなくても
どんな出会い方をしたのであっても
うれしい
それが本音





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2007/10/01

構成力とストーリー性で濃縮果汁還元


「新・秋嶋書店員日記」より。


本に書かれていることはすでに過去のものである。

しかし、それを読むひとにとっては未知のものである。

(新・秋嶋書店員日記「本に書かれていること」)


そう、文字として書かれた時点ですでに過去のもの。過去のものが書かれた原稿を、時間をかけて紙に印刷し、本という形に整え、発売する。書店の棚に並んだ時点で、そこに書かれていることはすごく過去のものだったりするのだな。

過去のものだけど、それを読む人にとっては未知のものであるかというと、最近はそうでもないかなぁと思うことが多かったりして。とくにビジネス書の場合、テーマ的にも、内容的にも、まったく未知のものに出会うことは、そんなにないような気がする。

なにがしかの「未知」があるとしたら、それはテーマや内容そのものではなく、見せ方なんじゃないかしら。

「モチベーションは楽しさ創造から」というBlogの「ブログと本を上手に使い分けた学習法 ネット時代だからできる贅沢」というエントリに、「Blogでエッセンスを知り、本で文脈を学ぶ」という言葉がある。

そう。テーマや内容そのもののエッセンスは、わざわざお金を出して本を買わなくても、無料のBlogで知ることができてしまったりすることが多いのですよ、最近は。だから、エッセンスを文字にして紙に印刷し本に綴じても、読む人にとって「未知のもの」にはなかなかなりえないのですね。

ビジネス書はこれまで、さまざまな優れたスキルや有用な知識を持った著者さんに、そのエッセンスを凝縮して簡潔に文章化してもらい、読者に提案するというのが基本スタイルだったのではないかと思います。というか、自分はそう思ってました。

でも、エッセンスの羅列じゃ、商品としてはもう駄目なのですね。そのエッセンスたちをいかにコンセプト付けしていけるか。孤立したエッセンスとしてではなく、そのエッセンスの元である概念等を読者の頭の中や気持ちの中に上手に染み渡らせることができるか。そういうことが必要なのでしょう。

それを可能にするためにも、著者さんには、そして編集を担当する者にも、構成力とか、ストーリー展開力とかって、重要だよなぁと思うわけで。

エッセンスそのものを物語化する、あるいは、エッセンスの並べ方やそこへの肉付けのしかたで読者さんに「物語」を感じてもらえるように構成する。そうやって「ストーリー」として読者さんの気持ちにすぐに素直に直接的に伝わるようなかたちで届けないと、なかなか買ってもらえないのかなぁと。

これってたとえば、以前は濃縮果汁をつくれるのがメーカーだけだったので、それをつくって売ればお客さんに喜ばれたけれど、いまは誰もが濃縮果汁をつくり無料で配れるようになっちゃったので、むしろそれを上手に濃縮果汁還元飲料に加工することがメーカーには要求され、お客さんも手軽に飲めるそれを喜ぶ、みたいなことかもしれない。

わかりづらいな。

以前はカルピス原液がそのコストパフォーマンス等から喜ばれたけれど、最近は原液をおいしい水と絶妙な配合バランスで混ぜ合わせすぐに飲める状態になっているカルピスウォーターのほうが喜ばれることが多い、みたいな? よけいわかりにくいか。

まだBlogでは、そうした意識やスキルが成熟してなさそうだから、それができている本は、対価を払って入手する理由になりそう。そうした「見せ方」が「未知のもの」として、本を買う理由になるのかも。でもいずれ、Blogにもそういう流れはきそうだな。

ちなみに、本にも「1つのエントリに対して、見えない文字数の制限」はあると思いますよ。本は1冊全体が1つのエントリなのではなくて、いうなれば、いくつかのエントリの組み合わせですから。





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日本郵政公社は投信の販売開始からの約2年間で、純資産残高が1兆円を突破したそうです。いよいよ郵政民営化がスタートし、それにあわせて投信の販売局数を3割増やす方針だとか。

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2007/09/27

本で伝えられることって

けっきょく言葉・文章にできることだけなんですよね。

たとえどんなに素晴らしい知識があっても、どれほど蓄積された経験があっても、実務のなかで研ぎ澄まされた勘があっても、それを文章に、言葉にできなければ、本にはなりません。

でも、本当に大切で役立つことの多くって、とくにビジネスパーソンを読者さんと想定した「ビジネス書」で扱うようなテーマでは、実は「文章にはできない部分」にあるように思うのですよ。知識と経験の蓄積のなかで研ぎ澄まされた勘を刻々と変化する状況の中でフルに活用する、いわばライブ感を身につけることこそが、とても大切なのではないかと思うのだけど、ライブ感は、ライブをいくつもこなさないと身につかないんですよね。

楽器を演奏する人はご存知だと思うけれど、いくら家で自己練習をしても、貸しスタジオでバンド・リハーサルをしても、実際にオーディンエスの前でライブをやらなければ、ライブ感は身につかない。

本で伝えられることは、こういう練習の方法がありますよとか、こういうところで練習できますよとか、こんなことを心がけるといいですよとかくらい。そしてそれらはどれも「言葉で読んで頭で理解できる」ことだけ。

それでも、読まないよりはましだけど、頭で理解できる知識や情報なんて、本当に必要なこと、本当に大切なことのうちの、ほんの少しの部分だけなんだよなぁ、きっと。

メラビアンの法則でしたっけ、話し手が相手に与えるインパクトは見た目などの「視覚情報」が半分以上を占め、残りの大半を声や話し方などの「聴覚情報」が占める、話された内容そのものの「言語情報」が与える影響は10%にも満たない... ていうの。

たぶん、ビジネスの現場、コミュニケーションの現場でも、そうなんでしょう。なのにそれを向上させる、より良い方向に向けさせることをテーマにした本が基本的に「言語情報」だけで構成されているところに、なんというか、限界を感じるのだよなぁ。

たとえばビジネスノウハウ本やコミュニケーション技術本には、「考え方」や「ヒント」はあるけれど、そうして得た「言葉の情報」が実際の場面ではどれほど役に立つのだろうか。それらの言語情報をどれだけ視覚情報や聴覚情報へと変換できるのだろうか。

そう考えると、対人アクションが必要なノウハウや教育指導に関連した内容は、本ではあまり実効性を持たせられないのかなぁとか思ってしまう今日この頃。それよりも、純粋な「考え方」や「知識」だけのような、言葉だけでほとんどを言い表わせるような内容を扱うほうが、本としては完成度が高くなるだろうし、読者さんにとっても有用で、セールスにも結びつきやすいのかなぁ。





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すでに初版分の在庫がなくなってしまい、現在大急ぎで増刷中です!

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若いOLさんや女子学生さんなども買ってくださっているらしい。

この本を読んだ貴女は、きっと素敵な「会話美人」になりますわよ。


カバー写真『銀座流 売れっ娘ホステスの会話術』